嘘つきヴァンパイア様


感情がよみにくいレシィにしては、珍しくわかりやすい態度だ。


「いったい…誰のことなんだろう」


その言葉は激しくなる雨の音にまぎれるように、消えた。




それからというもの、雨は次第にどんどんと激しくなってきた。


バケツを引っ繰り返したような雨と音。同時にピカッと空が光り、雷が鳴り響く。


人間界と同じような雷を涼子は窓に張り付くように見つめていた。


雷を怖いと思うようになったのは、涼子が生まれたころからだ。雷がなると音が鳴り、光るたびに「恐怖」を感じていた。


夜ならば、母親の布団に忍び込みか学校なら教室の隅に隠れていた。


ある程度成長してからは、そこまでしなくても大丈夫たが、何故だか落ち着かない。


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