嘘つきヴァンパイア様



ケイトは呉羽の一族の始祖。カトレアはその妻であり、涼子はその生まれ変わりだと言うのだ。


意味が分からなかった。頭が混乱し、視線を泳がせる涼子にギルドは薄笑いを浮かべながら言う。


「あれ……もしかして、初耳だったのかい?呉羽から聞いていると思っていたんだけどな」


「い、え……その、聞いてない、です……」


「あ、そうなんだ。それは、申し訳ないことをしたね。けど、君はカトレアの生まれ変わりだよ?彼女はとても力の強い神様だったんだ。その名残りが君に残っているだろう?例えば、未来が見えるとか…」


身に覚えのあることに、涼子は更に混乱する。



どうして、未来が見えることを知っているのだろう。それは、涼子がカトレアの生まれ変わりであることを断言しているようだ。


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