嘘つきヴァンパイア様
「そんな、まさか……確かに、未来は見えますけど、ただ、それだけで……前世が、ケイト様の妻だなんて……そんな、まさか…え……え?」
「事実だよ。雷、嫌いだろう?カトレアも嫌いだっとと、聞いているからね」
嫌いなのは、事実。だが、涼子はいまいち信じられなかった。
「で、でも…呉羽から、私はなにも、聞いてません……呉羽なら、言ってくれる……はず……」
(あ、でも、待って。わたしは、記憶を忘れている。前のわたしは呉羽から聞いていたのかもしれない。ただ、呉羽は私がこんな風に混乱するのを避けるために、直ぐには言わなかったのかな?)
考える涼子にギルドは首をかしげ「どうしたんだい?」ととう。
「あ、いえ……」
「ごめんね。やはり、僕から言うことではなかったよ」
抱き締めていた手をはなし、ギルドはその綺麗な髪をかきあげる。
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