嘘つきヴァンパイア様


謎が解けた。そして、呉羽には話していない謎も涼子の中でとけた。


「ねぇ、呉羽?」



「…ん?どうした?」


「わたし、いま、初めて言うけれど…。昔からよく、ある夢をみたの。それが誰かはわからなかったけど……私がカトレア様の生まれ変わりなら、あの夢の人物はカトレア様とケイト様だと思う。絵画を見たとき、カトレアの名前を初めて聞いたときは、わからなかった。だけど、カトレア様の生まれ変わりだというのなら、あの夢はカトレア様の記憶だと、思う」



そんな自信が彼女にはあった。なぜなら、妙にリアルな夢だったから。


見たあとは、涙を流すことも、幸せな気分になることもあった。



「それは、そうだな。カトレアの記憶だ。つか、なんで突然「様」なんかつけてるんだよ」


涼子から離れ、クスクスと笑う。




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