嘘つきヴァンパイア様


「なれなれしいでし。仮にも呉羽様の花嫁でし」


「何をいう、レシィ。呉羽様の花嫁なら、我らの家族のようなものじゃないか。さ!今度は私の家に来てくれ!ご馳走をしよう!」


「ちょっと、まて!それなら、私の家に!」


「いや!それなら俺の家に!」


レシィと涼子を無視し、話を盛り上げる神様達。


この冥界の神様は、そこまで花嫁が来たことが嬉しいのか。


拒否されるよりは嬉しいが、涼子は思わず苦笑いを溢すと、それを見ていたルカが呟く。




「わかった。お前ら、静まれ。涼子様をお前らの家を何件もはしごするわけにはいかない。疲れるだろう。だが、仲良くはなって欲しい。って、ことで、ここで宴をあげればいい。呉羽様には俺が報告にいく」


「おぉ!それは、いい!さっそく準備に取りかかろう!」

「え…」


(…こ、ここで!?)



宴とは、所謂歓迎会だろう。嬉しいが、あまりにものノリのよさに、涼子はただ唖然とするばかりだった。





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