嘘つきヴァンパイア様
「皆さん、呉羽が大好きなんですね」
「好きだとも。いや、涼子様を差し置いてなんだが……我々は呉羽様を愛しているぞ。この冥界の神は誰もが同じ気持ちだ。なんて言っても、罪を犯した俺らを見下すわけでもなく対等に接してくれる。俺は、冥界の王が呉羽様で本当に良かったと思う」
罪を犯した。彼らもレシィと同じく罪を犯したのだ。
ほんの少し、涼子は興味が沸いた。今まで、罪に関して興味などなかった。
だが、レシィが話してくれた悲しい罪。彼らはどんな罪を犯したのだろうと。
手にもっていたグラスを置き、涼子は控えめな声で言う。
「あの……皆さんは、いったいどんな罪を犯した、んですか?あ、言いたくないなら、いいんです……」
「何を言う。今さら悔やむことではないぞ。俺は、前に住んでいた界である任務を受けた。それは人間界に弱った絶滅動物の保護という任務だ。そのときに、同じ任務を受けた仲間が人間に捕まり逃がす為に、攻撃してしまった。言い訳だが、仲間を救うことで頭がいっぱいで、人間の命など考えていなかったんだ。そしたら…その人間は大怪我をおった。それで、追放されここに来た」
レシィと似ていると思った。故意にではなく、誰かを守るためにと。
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