嘘つきヴァンパイア様


なにかを考えるわけではない。


ただ、彼らから聞いた話を脳内でリピートを繰り返す。


涼子が来るまえの呉羽のことを沢山聞いた。


それは涼子は初めてきくことばかり。いや、記憶をなくす前に聞いていたがかもしれないが、また新しい発見をできた。



そのことが、嬉しく、騒ぎ声を背後に微笑むと、誰かの足音が聞こえる。


なるべく音を立てないような、控えめだが、力強く踏みしめる足音。


「……呉羽?」


この足音は呉羽だ。振り向けば其処には案の時、呉羽の姿。


振り向いて目が合った瞬間に微笑む涼子。そんな涼子に、呉羽は腰に片手を添え、近付く。


「こんなところにいたのか。なかなか帰ってこないかと思って来てみれば会場にいねぇし。ここにいたのか」


「あ、うん。ごめんなさい。帰ろうとは思ったんだけど……レシィもルカも酔いつぶれちゃってたから。なんて、言い訳だよね。気をつけます」


< 320 / 475 >

この作品をシェア

pagetop