嘘つきヴァンパイア様


会場には、酔いつぶれ、ごろ寝をするルカとレシィがいる。


日頃、屋敷で仕えて疲れているのだろう。そう思い、涼子は「帰ろう」と声をかけるのをやめてここにいる。


起きていたら、一人でここにはいられない。


「いや、いいさ。たまには羽目を外すのも大事なことだ。それより、城下はどうだった?勉強になったか?」


涼子の隣に座り、当たり前のように肩に手を回して抱き寄せた。


あたたかい呉羽に抱かれながら、涼子は口を開く。


「うん……凄く、楽しかった。見たことのない物をみたし、聞いた事のないことを沢山おしえてくれたから。ここの神様は皆、優しいね?初めて会った私のために、宴まで開いてくれるなんて。まるで、長い付き合いの友人みたいだった」


「そうか。楽しんだのなら、良かったよ」


頭に手をおき、そのまま引き寄せられる。足の間に挟まるように抱き締められると、呉羽の心臓の音が聞こえる。

鼓動はいつもより、早い。




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