嘘つきヴァンパイア様
呉羽は今日、大事な任務があると朝早くから外出していた。その者が帰ってきて、屋敷内で雑談していたのだろう。
(呉羽も帰ってきたのかな?なら、急がなくちゃ)
歩いていた足を速め、彼らに挨拶をしようとすると、ふいに彼らの口から「涼子様」と聞こえ思わず脚をとめた。
「ところで、お前、涼子様のことどう思う?」
(え……私の話?)
明るい声でなく、明らかに意味深の声色に涼子は耳を澄ます。
「どうって、いい人間なんじゃないか?俺たちに好奇の目は向けないし。王の花嫁なのに天狗にならねぇし。ただ、控えめな性格がおしいけど」
「あぁ、そうだな。だが、俺が言ってるのはそういう事じゃない。これから呉羽様はどうするかってことだよ」
家来は腕をくみ、険しそうに顔をしかめる。その様子に違う家来も顔をしかめた。
「どうするも何も、呉羽様はもともとの計画を遂行するだろうな」
(計画……?)
なんのことだろうか。心臓がドクンと蠢き、涼子は思わす花瓶を強く胸に抱える。
嫌な予感がしたのだ。未来を見る時、ギルドに始めてあった時以上に嫌な予感がした。
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