嘘つきヴァンパイア様


ドキドキと胸を高鳴らせながら呉羽の椅子に座り日記を開いた。


その文字も天界の文字だ。けれど、自分の前世が書いたもの。そのせいかまるで頭に流れ込む。


『冬。それは朝から降り止まない雪が続いたある日のこと。私は久しぶりに人間の村に行った。それは久しぶりのこと。


以前、私が人間の子供と遊んで怪我をしてしまって以来、禁止をされていたから。とても楽しかった。彼は私にご飯を作ってくれた。美味しかったわ。人間はやはりとても美しくて儚い。離れ離れに暮らすのはとても惜しいわ』


(これって、人間と神様が離れてくらすようになってからのことだよね?)

再びページを捲る。


『冬。この日は私は探検に出るため朝早くから私は神の村を降りた。向かう先はいつものごとく人間の住む村。生まれた時から人間とは怖く恐ろしいものだと聞かされていたけれど、私は人間のことを怖いなど思ったことはないわ。


人間は暖かいのも。今日もまたご飯を作ってもらったの。底の深い黒い器に沢山の野菜。お土産にと少し持って帰
ってしまた。けれど、誰も口にはしてくれなかった。悲しい』

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