嘘つきヴァンパイア様
それから日記に続くのは人間のこと。そして涙が出そうなほど切ないカトレアの思いだった。
カトレアは神も人間も愛していた。いつかは分かり合える日がくることを信じて、人間のよさを神様達に訴え続けたのだ。
けれども、関係はよくなることはなかったらしい。日記にはそうある。長い時間が経過していくうちに「もうだめかも」と、カトレアは思った。
夢中で日記を読み、ページが半分ほど諦めが長くつづっている。そしてまた一枚ページを捲ると、そこには萎れた白い薔薇の花びらがあった。
(あれ、こんなところに花びらが…)
手に取り、それを眺め視線を日記に戻す。
『秋。人間と神の関係。その修復を諦めた今日、私は彼に出会った』
(彼?彼って、もしかして……)
『私が一人ぼっちで泣いていると、彼は私に一輪の薔薇を差し出した。『白い薔薇に涙は似合わない』って。とってもキザな言葉に唖然とする私の涙を彼は優しい手で拭いてくれたわ。
冷たいけど、暖かい手だった。栗色の綺麗な髪とブラウンの瞳を持った彼の名はケイトと名乗ってくれた。あの彼は、誰なんだろう』
(やっぱり、ケイト様だ。このとき、彼らは出会ったんだ。それにしても、白い薔薇って…)
「ギルド様に似てることを言うんだね」
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