嘘つきヴァンパイア様
「え?」
胸に抱えた日記をさらに強く握る。すると呉羽は涼子が抱える日記に視線をおとし「そういうことか」と、納得した顔をした。
「見たのか?その中身の全部を」
「……半分くらい。私の記憶がカトレア様の経験したことと……同じ。どうしてかな?」
問い詰める涼子に呉羽は身体を離し、涼子の肩に手を置き屈みながら視線を合わせる。
「たまたまだよ。俺もつい最近それを読んだ時は驚いたくらいだ。涼子がみたらそういう反応すると思って隠していたが、失敗したな。まさか、見られてしまうなんて」
後頭部に手を回し、そのまま額を合わせる。
「涼子が思っているようなことはない。このことも、たまたまだ」
「たま、たま?」
大きく頷き「そうだ」という呉羽。至近距離で見える呉羽の瞳はとても綺麗だと涼子は思う。
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