嘘つきヴァンパイア様


ワントーン下がった呉羽の声。

何を言われるのか一瞬で理解したのだろう。その声色に少し怯えながら涼子は言った。



「その花言葉って、悪い意味なの?わたし、そういうの詳しくないから。その、ギルド様がくれたものだし、なにかあるかもしれないし……。意味、教えてくれないかな?」


「聞いたら、あとに戻れなくなる。それでも、いいのか?」

「どういう意味?戻れなくなるだなんて」


意味を問うもの、呉羽は黙り込んでしまった。


目をつぶりため息をはく姿は何かを考えてるよう。その姿を涼子は黙って眺めていると、呉羽は涼子の肩に触れそのまま背中を押す。


「わかった。なら、あとで教えてやるよ。だからその前に湯殿にでも行って来い。楽しみはそれからで」



「え、でも……」

「いいから」

少し強引な呉羽に涼子はしぶしぶ頷く。納得などしていない。


今、聞きたいもだから。けれども、聞いたところで、呉羽は答えないだろう。


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