嘘つきヴァンパイア様


「記憶が、ない。もしかして、ここって……」


嫌な予感がした。胸騒ぎが止まらなく、急いでベッドからおり、窓から外を眺めれば絶望した。


いつも屋敷から見える景色ではない。周りは真っ暗で、月の光さえも見えない。


(もしかして、わたしは……)


「誘拐されたの?ギルド様に……」

愕然としてしまった。


あれだけ呉羽たちに気をつけろと言われていたのにも関わらず、あっさりとギルドに誘拐されてしまうなど。


あとで呉羽の怒る姿が脳裏に浮かび涼子はため息をはき、頭をかかえ異様にふかふかのベッドに腰をおろした。


あの時、ギルドに抱きしめられた時に残像が浮かび意識を失った。ここにきてからこのようなことばかりだ。


誘拐されるなど、涼子も予想外だったが、これからどうすればいいのだろう。


(それにしても、監禁されるものにしては豪華な部屋だな。こうみわたしても、今の立場とは不釣合いし。彼はなにを考えているのかな。手足に錠もないし)

涼子の手足は完全に自由の状態。前々からギルドに手足の自由を奪われ監禁されている残像をみてきた。



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