嘘つきヴァンパイア様
看護婦の言葉に涼子が部屋にある時計をみると9時を過ぎていた。
外をみれば、真っ暗。随分と、眠ったものだ。
「わかりました。ありがとうございます」
「いえ、じゃあ、私は一回戻りますから、何かありましたらコールお願いしますね」
「はい」
看護婦の言葉に頷くと、彼女は何かを思い出したように振り返る。
「あ、そうだ」
「?」
「彼が、涼子さんの好きなもの買ってくるって言っていたわよ」
「…え?」
「もうすぐ来るはずだから、元気な姿を見せてあげて。じゃ、またね」
ガラッとドアが閉まり、それと同時に涼子は首をかしげた。
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