嘘つきヴァンパイア様
ケイトは涼子の前世であるカトレアの伴侶だ。それを事実として受け止めてからは、とても不思議な感覚がする。屋敷でも毎日のように眺めているのだから。
「ここにも、あるんだ。ケイト様の絵。やっぱり、素敵だな」
そう、思わず呟いた時だった。
「素敵なのは当たり前だよ。だって、僕達の先祖なんだから」
「あ、そうですよね……って……あ!?」
背後から聞こえた声に振り向けば、そこには誘拐した張本人であるギルドの姿。
腕をくみ、着崩した着物。髪は無造作に結い誘拐犯とはおもえないなりで、笑顔を浮かべている。
「白い薔薇よ。危ないよ?一人で脱走するなんてさ。なんて、逃げ出すことを想定して鍵をわざとかけなかったんだけどね。あはは」
肩を揺らして微笑むギルド。そんなギルドを涼子は思わずギョとした目でみた。
(ゆ、誘拐したっていうのに、なんでそんなに笑顔なの?)
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