嘘つきヴァンパイア様


ギルドの言葉に涼子は無言で返すと、彼はため息をはく。

「無視はかなしいかな。ま、いいけど。それより、余興はこのくらいにして本題にはいろうか。君を攫ったのはね、聞きたいことがあるからなんだ」

「聞きたい、こと、ですか?」

「そう。君と呉羽の馴れ初めって、いうのかな?出会いから、いまにいたるまで」

そのようなことを聞いてどうするのだろう。


ギルドに出会ったとき、呉羽は記憶のことを除いて全て話したはずだ。いまさら、聞く理由があるのだろうか。


「もしかして、言えないの?」

「いえ、そうじゃないです。その、呉羽との出会いは……」

(あれ?わたし、呉羽とどうやって出会ったんだっけ?記憶は結構取り戻せたのに、どうしてだろう。呉羽との出会いが浮かんでこない)


「えっと、その……確か、人間界で、落としたバッグを拾ってもらったのが出会い、でした」


「へぇ、そう」

「はい。それで、とても長く付き合いました。呉羽は人間界に長くいてくれて、とても優しくしてくれていました」

(……よ、ね?)

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