嘘つきヴァンパイア様


涼子はなにも言えなかった。

全て、事実だからだ。どうして、ここまで詳しく分かるのだろう。身体が振るえ、視線を落とすとギルドは涼子の傍により肩に手をおいた。


「僕さ、思うんだ。勘って、気のせいじゃないって」

「な……なにを、言って」

「本当のことだから。その不安はまぎれもない事実だよ。君が思いだしたのは全てカトレアの記憶だ」

(カトレア、様の?)

「そんな、まさか……呉羽は違うって、言ってくれました!」

腕を振り払い、立ち上がるとテーブルのカップが倒れ無残に卓上にこぼれる。



「確かに、不安だったのは事実です。でも、呉羽は違うって……違うって、言ってくれたから、私は呉羽を信じるって……」

(決めたんだもん)


「かわいそうな薔薇だ。そこまで、洗脳されているなんて。なら、真実を君に教えてあげようかな。君は言ったよね?呉羽とは、長い間、恋人だったと」


「はい、言いました」


「それ、呉羽の嘘だよ」



(え?呉羽の、うそ?)


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