嘘つきヴァンパイア様
「確かに、最初は私も同様しました。呉羽の言っていることの意味がわからなくて戸惑いました。だけど、呉羽との記憶だって……」
「だから、さっきも言ったけど、それはカトレアのものだよ。その記憶を呉羽は自分たちのものだと偽っている。全く、なんて愚かな弟なんだ」
「そんなはずないです。だって、呉羽も私がみた記憶のことを知っていました。だから、そんなこと」
言い返す涼子にギルドはため息をはき、着物の袖から何かを取り出し涼子の前においた。
それは、涼子は執務室から見つけたカトレアの日記だ。数時間前に呉羽に「記憶は自分のものか」と、問いただしたきっかけのもの。
「もう、やめようよ。あれこれ言うの。そんなの、呉羽はこの日記を見ていたに過ぎないんだ。いっそのこと、嘘をうけいれた方が楽だよ。呉羽は嘘つきなんだ」
「違う。そんなことない!」
「君は相当呉羽のことを信じているね。けど、事実はかわらない。だから僕は君に警告したんだ。あの花束の意味、知っているかい?」
花束とは、ギルドが涼子に送った花束のことだ。呉羽に聞こうと思っていけなかった、花束の意味。
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