嘘つきヴァンパイア様


首をふる涼子。ギルドは勝ち誇った表情で涼子を見つめた。


「偽りの愛で加護された君を表現したんだ。まさに君たちにお似合いだ。君は怖いから認めたくないんだろう?全てが嘘と言うことは、呉羽が囁いた愛も偽りだということを」

「…あ」

ギルドの言う通りだった。涼子が頑なに呉羽の嘘を嘘だと言い張るのは、呉羽が「好き」だといってくれた言葉も嘘になる。

それだけは嫌だったのだ。


「呉羽は君のこと、愛していないよ。あいつは誰も愛さない。だって、それは直ぐに終わってしまうものだから。愛しているの台詞は紛いもの。心なんてないんだ。あるのは、君が呉羽を愛してしまった……その、虚しさだけさ」



「……っ」


(愛してなど、なかった……なんて。否定したい。けど、どうして否定の言葉が出てこないんだろう)



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