嘘つきヴァンパイア様
力強く抱きしめられ、身体の骨が砕けてしまいそうなほど、強い抱擁。呉羽を好きな涼子にとって嬉しいはずなのに涼子は悲しかった。
(呉羽にとって、この抱擁も、嘘……なんだよね…。心配したふりをしている…の?)
「呉羽……痛い……よ」
「知るか。気をつけろって言ったのに、油断した罰だ」
「……ごめん、なさい」
いつもなら、呉羽の背中に迷うことなく手を回した。けれど、今の涼子には出来なかった。
これから問われることに答えたら呉羽はなんと言うのか、怖い、怖くて胸が苦しいのだ。
「謝ってすむことじゃない。心配したんだ。本来の姿にまでなって、お前の気配をおったけど、見つからなくて、気が狂いそうだったんだ」
「そう、だったんだ。だから、見たとき、違和感を感じたんだね。普段は人間っぽいから、なんか不思議……」
「あまり、気持ちいい姿じゃない。見せたくない」
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