嘘つきヴァンパイア様
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ピ涼子の電話を切ったらあと、楓はため息をはきながら携帯をベッドに乱暴に投げつける。そして、背後を振り向きそこにいる人物を睨み付けた。
「これで満足?あんた」
「あぁ、素晴らしい演技で助かるよ」
楓の敵意の籠った声。あんたと呼ばれた男である呉羽は口元をにやつかせ腕を組む。
「なにが目的なの?涼子をどうするつもり?私の家族を返してよ!」
呉羽の背後には手首を縛られた両親。そう、呉羽は楓の家族をおとりにとり自分を恋人だと涼子に嘘をつかせたのだ。
「返すよ。縛る以上のことはしない」
したくもないし、する価値もない。あの、女だけ、手にはいればそれでいい。そう、思うと呉羽は黒い髪の毛を耳にかけ楓に近付く。
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