嘘つきヴァンパイア様



「しかしお前は役者だな。これだけ脅したのにも関わらず、息一つ乱さずに嘘をつくだなんて。涼子の親友がお前で良かった」


「近寄らないで!貴方のためにしたわけじゃないわ!それより、涼子をどうするつもりなの!?どうして、私にあんなとこを言わせたのよ!あなたは、いったい何者なの!?」


近付く呉羽から距離をとり早口にいうと、呉羽は嫌な顔をする。


「やかましいな」


うるさい女は嫌いだ。片耳をわざとらしくふさぐ。


「お前には関係ない。俺は急いでるんだ。早くあの女を俺のものにしないといけない。まぁ、人間のお前には関係ない話だけどな」

「は?」


意味がわからない。そんな顔をする楓の腕を強引に掴みグッと顔を近づけるとブラウスの瞳にうつる楓が怖い顔でグッとを睨んだ。


「離して」

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