嘘つきヴァンパイア様
その日からほぼ毎日のように夜になると必ず呉羽は涼子の部屋を訪れた。
何をするわけではないけれど、これも涼子を利用するための作戦なのか呉羽は根気よく通いつめたのだった。
そして、それと同時に楓は突然学校に来なくなったのだ。それもそのはず。なぜなら呉羽が彼女を眠らせたのだから。
そんな事とは知らず涼子は不安ではなかった。電話にも出ない事から先生に聞けば学校に海外旅行での休暇届け出をだしていたらしい。
話を聞いていなかった事に寂しさを感じたが、特に気にすることなく涼子は日々を過ごした。
そして、そんなある日の夜のだった。いつもと同じように涼子の部屋には呉羽がいた。
「どう?美味しいかな?呉羽」
「あぁ。美味しいよ」
あのキスをさかいに涼子はなるべく呉羽を名前で呼ぶ事にして敬語をやめた。
最初こそぎこちなかったけれども、今では不自然な感じなく話せるようになっていた。
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