嘘つきヴァンパイア様
呉羽がぶつけてくれる思いに少しでも彼を理解したい。その思いから彼を受け入れ、毎日会い手料理をつくり呉羽に振る舞う。
嬉しいことに涼子が作ったものは少しも残さず彼は食べてくれる。一人の時は寂しかった食事も呉羽のお陰で最近楽しくなってきた。
「これなら、俺の良い嫁になるな」
「そ、そう、かな?」
呉羽の言葉に頬を赤らめ、涼子は視線をおとす。白いご飯を口に運ぶと呉羽が突然、"そう言えばさ"と、話をきり出す。
「あの約束覚えてるか?なんて、覚えてないよな」
あの約束?覚えのない事に首を傾げ、箸の動きを止めた。
「なに、それ?」
「ほら、俺の生まれ故郷に来てくれるって話。やっぱり、記憶にないよな」
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