嘘つきヴァンパイア様


呉羽の生まれた故郷。

「それって、何処の国なの?」


ブラウンの美しい瞳と日本人離れした容姿。異国の人だとは思っていたが、どこなんだろう。



「遠い場所だよ。天国より、更に遠い場所だ」


からかっているのか。微笑みながら話す呉羽を涼子は少し睨んだ。

「からかってるの?天国より遠いだなんて」


「からかってないって」


そのまま手を伸ばし、涼子の頭を優しく撫でる。


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