嘘つきヴァンパイア様


「そうだな」

少し不安になった。恋人だと言われた時も驚いたがそれ以上なにがあるのかと。


「そうなんだ。その覚えてないこと、教えてくれない?」


「驚くぞ」

「今更だよ」

「それもそうか」


肩から手を離し、呉羽は大きく息を吸い込むとブラウンの瞳を細め涼子の頬に手を添える。



「実は俺…」


「う、ん」



「…ヴァンパイアなんだ」



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