嘘つきヴァンパイア様



「そっか。じゃあ、ここが仮に冥界で呉羽がヴァンパイアなら…あの街に住んでるのもヴァンパイア?」


「違う。この冥界は罪人のたまり場なんだよ。この世界の他に別の界がある。人間界とは別に。その世界で罪を置かした奴等がここに来る。それを俺が王としてまとめてる。あ、つまり、涼子は俺の婚約者だから将来の女王様ってことで」


「なるほど。私は女王様…って、えぇっ!?」



大きな声に呉羽とレシィは眉を潜める。


「女王様って、わたしが?」

更に信じられない話に口元をかくす。

「なんだよ。俺の婚約者なんだから当たり前だろ」

「い…いや。そういう問題ではないです」


(どうして、そんな大事な話まで忘れてしまったのよ!)


記憶があった自分は本当にそれを納得した上で呉羽といたのか疑問しか浮かばはい。


けれど、呉羽が嘘をつくとは彼女には考えられない。


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