毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「それはお前にとって一番、聞かれたくない質問ではないのか?」

「え? あ、そうかもしれません」

 自分で質問しておいて、答えられないことを聞くなんて恥ずかしい。

 私は頬がかあっと熱くなるのがわかった。

「お前の中で答えが出て、はっきりした時に儂に教えてくれればよい。それまでは儂からは聞かん。今夜はゆっくりと休め。明日の早朝にはここを起つ」

「どこに行くのですか?」

「清州城だ。ここではお前を守れきれん。今この状態で今川軍に攻め込まれたら、ここでは歯がたたんからな」

 清州城。これも聞いたことがある。確か、織田信長が住んでいる城だったとか。

< 24 / 130 >

この作品をシェア

pagetop