毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「私は信長様のお傍に居て……いいんでしょうか?」

「ああ。構わん。今川義元は、お前を勝利の鍵だと信じている。あちら側にいかれたら、それこそ大問題だ」

「私が『勝利の鍵』……ですか? まさか有り得ない」

 私は首を左右に振った。

「だが、どちらにどう軍配があがるか知っておるのだろ?」

 信長が、ニヤリと意味ありげに笑った。

 ハッとする。

 歴史通りなら……。私はこの結果を知っている。

「儂はその手のものは信じておらん。が、あちら側は信じておるようだ」

「信長様は私の正体をもう……ご存じで……」

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