毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
 この時代に、きっと「ストレス」なんて言葉は存在してないけれど。

 きっとストレスが溜まっている違いないのに。

 信長はどうやって溜まったストレスを発散しているのかな?














「『婆あ』とか言って悪かったな」と背後から急に声がして私は振り返った。

 少し席を外すと、信長に言われて私は、一人で信長の部屋にいた。

 障子の隙間から、声がしたような気がするから、きっと障子の向こう側に信包がいるのだろう。

「気にしてませんから」

「少しは気にしろ」とぼそっと呟くのが聞こえた。

 信長の代わりに、信包が私を見張ってるのかな?

「『どんくさ』って言ったのも、悪いと思ってる」

 ぼそぼそっと呟くように信包が話す。

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