毬亜【マリア】―信長の寵愛姫―
「私、信包様のお言葉が正論だと思ってます。昨日の夜の件でもそう思いました。今川義元の間者だと疑われても仕方ないですし、他の大名の間者だと思われても致し方ないかと……。警戒して当然だと思います」
「でも。あんたは違うんだろ?」
「はい。違います」
「兄上はあんたを信じてるみたいだ。滅多に人を信じない兄上が、あんたには心を寄せているように見える」
「それは私に、敵意がないとわかっているからでは? 私の目的は、私の住んでいる国に帰ること。信長様のやろうとしている夢に、私は関わってないからだと思います」
「あんたが羨ましい」
信包がフンと鼻を鳴らした。
「信長様には敵が多いのです。心の休まるときが無いくらい。本音を素直に話せる人が一人でもいれば、良いのにって……思うんですけど」
「それってあんたじゃねえ?」
「え? 私ですか?」
「でも。あんたは違うんだろ?」
「はい。違います」
「兄上はあんたを信じてるみたいだ。滅多に人を信じない兄上が、あんたには心を寄せているように見える」
「それは私に、敵意がないとわかっているからでは? 私の目的は、私の住んでいる国に帰ること。信長様のやろうとしている夢に、私は関わってないからだと思います」
「あんたが羨ましい」
信包がフンと鼻を鳴らした。
「信長様には敵が多いのです。心の休まるときが無いくらい。本音を素直に話せる人が一人でもいれば、良いのにって……思うんですけど」
「それってあんたじゃねえ?」
「え? 私ですか?」