幽霊が恋人。
第二章 そばに
その夜も、私は泣いた。


だって…どうしたって涙が出るの。


哀しまないなんて無理…。





「…慎汰ぁ…っ。」







その時、窓が開いて風が一気に入ってきた。



「きゃあ!?」




ゴォォォオッ。




机に置いてあったルーズリーフが舞う。




ひらひらと、それは床に落ちて…


風は止んだ。







「な…なんだったの?」



私はベッドから降りると、窓の鍵を閉めた。



「おかしいなぁ…。鍵閉めてたはず……なの…に………」



待って。





後ろに…気配を感じる。





…誰かいるの!?




ゴクンと唾を飲み、おそるおそる後ろを振り向く。
















「………あ………。」







見慣れた顔。



私の方をじっと見て、驚いている。








『…………琉衣?』





し……



「慎汰……?」





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