一億よりも、一秒よりも。
夏木はカタログをめくり、今度は内装をどうしようか悩みだした。
後輩は「じゃあドライブ連れてって下さいよ」とテンション高めに言う。


「そんなの、全て注文したら来るまでが長いぞ」
 
昼食から帰って来たらしい三原先輩が唐突に現れた。その手にはケーキ屋のマークが入った箱を持っている。

「いいんすよ、楽しみの時間が増えるっていうか。わくわくしてられるじゃないっすか」
 
後輩がめざとくその箱に気づいたが、三原先輩は豪快に笑ってすり抜けた。
そして夏木のデスクにそれを置く。
 
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