ハレゾラ

帰り支度ができるとフロントまで行き、精算を済ませた。
すると女将さんは、待ってましたと言わんばかりの勢いで私達を自分の部屋に
連れ込み話をしだした。

まずは、これからは女将さんじゃなく『あきこさん』と呼ぶように言われた。
それから、旅館のこと、自分の立場のこと、女将業のこと、そして娘さんの
こと……。
次から次へと話していき、私達を驚かせた。
しかし決して悪い気分ではなく、どの話しひとつとっても、心のあたたまる話
ばかりで、二人で幸せな気分に包まれた。

そうしていると従業員の女の子がやってきて、修理が終わったことを伝えてくれ
た。


「なんだか、あっという間に時間経っちゃったのね……」


あきこさんはとても残念そうな顔をした。
 
< 133 / 237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop