ハレゾラ
彼は可笑しそうに笑うと、頬に顔を寄せた。
「咲さんには、まだ聞かなくちゃいけないことたくさんあるし、今日は僕の家に
来て」
「え? でも明日も仕事休むわけにはいかないし……。翔平くんも仕事休めない
でしょ?」
「僕は休みとってきたから大丈夫。って、上司には文句言われたけどね」
そう言って、笑いながら私の顔を覗き込んできた。
「で、咲さんもお休み」
「え?」
「兄貴がね、もう一日休ませてやるから元気とヤル気、充電してこいって」
「でも……」
「咲さんが今のままだと、兄貴に咲さんを奪われちゃうでしょ? だから一晩か
けて咲さんを元気にしてあげる」
その意味をすぐに理解した。
だって、ここに一人できた理由は、寂しかったから……。彼に触れたいのに、触
れられたいのにそう出来なかったから……。その想いが限界に達してしまい、心
と身体が勝手にここに連れてきてしまったんだ。
だから、その病を治せるのは彼しかいない。
特効薬だ。