ハレゾラ
その後また身体の怠さが全身を襲い、毛布を被ったまま眠り込んでしまった。
気づくと、もう彼の家の駐車場に着いていた。


「ごめん、起こしちゃったね。部屋まで運んであげようか?」


目が覚めて良かったぁ……。またお姫様抱っこでは申し訳ないし、恥ずかしい。
丁重にお断りして毛布を身体に巻きつけると、助手席のドアを開けて待っていた
彼が身体を抱き抱えてくれた。


「やっぱり僕が抱っこしていった方が早くない?」

「いい、自分で歩く」

「素直じゃないなぁ。起きなきゃよかったのに……」


ブツブツ文句を言ってるけれど、私を抱き抱えているその腕は、とても優しいも
のだった。こんな状態なのに、幸せな気持ちになってしまう。
部屋に入ると、すっと私を抱き上げる。さすがに私も、ここでは抵抗はしない。
ベッドまで運ぶと労るように下ろし、自分はベッドサイドに腰掛けた。


「まだ熱あるよね」


そう言いながら顔を近づけてくる。
ええっ!! 慌てて口に両手を当てた。
するとクスっと笑ってから、私の額に彼の額が重なった。


「何? キスすると思った?」


そう意地悪な顔で言うから、彼をきっと睨み返す。
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