ハレゾラ
軽く触れるだけの優しいキス。
そっと唇を離すと、私の顔を見つめたまま静かに語りだした。


「咲さんの風邪、半分もらってあげる。そしたら咲さんの身体、少しは楽になる
でしょ? それで、もし本当に僕が風邪をひいたら、今度は咲さんが僕の看病を
 して」

「…………っ」


その優しさ溢れる言葉に胸がいっぱいになってしまい、涙がこみ上げてきてしま
った。そんな私の顔を見て、彼は身体をぐっと引き寄せ抱きしめる。


「可愛いね、咲さん。泣けてきちゃうくらい感動しちゃったとか?」

「し……ちゃった……」


そう言って私もまた、彼をギュッと抱きしめた。
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