キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
キーンコーンカーン





予鈴のチャイムが鳴る。










「……やっと消えたか」



伊勢谷陣はそう呟くとようやくあたしの口元から手を離す。





「はぁっはぁ…もう…いきなり何だったんですか!」


「あ?俺キャーキャー騒がれんのヤなんだよ」


「だからって何であたしまで…」


「別にただなんとなく」


「な…!!」





伊勢谷陣はガラッとドアを開ける。




「なにボケッとしてんの?」


「え?」


「チャイム鳴ったぜ?」


「チャイム……」





はっ!

ヤバい、資材!!


あたしは急に現実を思い出す。



今さっき予鈴が鳴って授業まであと5分…


今から資材を集めて廊下を走って階段を登って……





「わぁ~ん!もう絶対遅刻じゃん!!」




慌てて必要な資材を棚から集めるあたしに、伊勢谷陣はドアの所でのんきにあくびをする。



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