キケンだらけの課外授業~私の周りは不良がいっぱい!?~
慌ただしく看護師が行き交う廊下に取り残されたあたしと伊勢谷陣。



伊勢谷陣は困ったように眉をしかめる。





「おい……もうそろそろ泣きやめよ」


「ひっく、だって、ふぇ…」


「…………」





カラカラ


伊勢谷陣は点滴を引きながらあたしの前へ来る。



「ここでお前が泣き続けてると俺が泣かせてるみてぇだろーが」


「……う…ごめ…なさい」


「ったく…泣くならせめて隠れとけ」





そして

伊勢谷陣が左腕を伸ばしたかと思うと



――ギュッ


あたしは抱きしめられた。





「心配かけて悪かったよ」






え…………?

えぇえ…………??!





「ななななな…あああの…」


「騙れ。つかこのギブス邪魔だな」




伊勢谷陣は右腕のギブスに文句を言いながら左腕であたしを抱きしめ続ける。




だ…黙れって言われても…

そんなの無理~~~!!!


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