私の片想い事情 【完】
重い空気の中、何もヤル気の出ない私。
ちゃんとしないと亜紀さんや隼人が出勤してくる。
隼人……
心の中で何度もその名を呟く。
何だか訳も分からず切なくなっていると、いきなりガチャと事務所のドアが開かれ、私は反射的に飛び起きた。
ドアの傍に立っているのは、隼人ではなくて、これまたキラキラ光る美少年。
「おはようございます。今日からよろしくお願いします」
「お、おはようございます……そっか、菅波君は今日出勤だったね?」
「はい」
そうだった……
私にはまだまだやらなきゃいけない仕事がある。
あんなことで悩んで時間を無駄にしている暇はない。