私の片想い事情 【完】
「ま、まぁ、生意気だけどクラスの間は真面目だったわよ」
「よかった……」
菅波君は私の返答に安堵するけど、私の心臓にはものすごく悪い。
本当に今日瀧川君が休みで良かった。
「瀧川、悪い奴じゃないんで、よろしくお願いします」
「す、菅波君が気にすることじゃないから、君は君のやらなきゃいけないことに集中して」
「それもそうですね」
菅波君は「すみません」と苦笑しながら頭を軽く下げた。
う~ん、その顔は犯罪ね。
この子は無意識にやっているんだろうなぁ……
今の顔写メで撮ったらいくらで売れるかな、なんて考えてしまう。
「どうしました?」とこれまたかわいい顔で尋ねられ、私は愚かな邪心を捨て、菅波君に指導方法の説明を始めた。