私の片想い事情 【完】

菅波君は思っていた通り、非常に真面目で、真剣に私の説明を聞いてくれた。


指導方法や生徒について細かく質問をしてくるので、つい私も熱が入り開かれた事務所のドアの音に気付かなかった。


「へ~、えらく熱心じゃん?」


ちょっと擦れたその声に心臓がまた止まりそうになる。


「隼人。め、珍しく早いじゃな、い?」


急に背後に立たれ、挨拶もそこそこに話しかけられるものだから、つい噛んでしまった。


何で緊張してんの、私?


別にやましいことなんて……


「女子大生の振り替えのクラスを今日入れたんだよ。それに今日からハルが入るし、色々と教えねぇといけないことあんだろ?」

「おねがいします」

「おう」

「今浅井さんに生徒ファイルと指導のガイドラインを説明してもらっているんです」

「へぇ~嫌がってた割には楽しそうだな?」



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