私の片想い事情 【完】
視線を泳がせれば、何も言えず黙り込む私を、意地の悪い笑みを浮かべながらじっと見つめている亜紀さんの姿。
あぁ、イヤだ、この顔は何か企んでる。
「み~なみ♪顔真っ赤よ~」
「そ、そんなことないですっ!」
耳まで真っ赤になっていては、説得力なんてない。
亜紀さんは本当にいじめっ子だ。私と瀧川君の間に何があったか知ってるくせに。
「ふふ、カズちゃんねぇ、みなみのことすごく気に入ったみたい。みなみもさぁ、男いないんだから不毛な片想いはヤメて……」
「ちょ、ちょっと!亜紀さん何言ってるんですかっ!?」
何を言い出すんだこの人はっ!
これ以上この問題をこじらせないで欲しい。
私は慌てて亜紀さんの言葉を遮り、首を横に振って懇願する。
できればなかったことにしたいけど……あぁ、これで何人知っているんだ?
これ以上亜紀さんに暴露されるのは勘弁して欲しい。
「た、瀧川君。私まだ片付け終わってないのよ。手伝って!!」
私は、思わず瀧川君の手を引き、取りあえず事務所から退散した。