私の片想い事情 【完】
「なっ、何言ってんの?冗談も―――」
「鈍感、無自覚、無防備」
「は?」
言いたいことを遮られ、何だか思いっきりバカにされたことを言われている。
それは、さすがに酔った頭でも理解できた。
「何よ、確かに飲みすぎたのは悪かったけど……だから帰っていいって言っているでしょう!?」
「みなみさんさぁ、バカじゃないの?酔った火照った身体で、そんなトロンとした顔して。男は皆誘われているって思うよ。俺じゃなかったら、絶対に襲われているから」
誘ってなんかない、そう言おうとしたけど、その先は瀧川君の唇で塞がれた。
「んんん―――っ」
ま、またキスされたーーーー!
と脳内パニック状態に陥りそうになると、チュッと音を立てて唇が離された。
「ほらね、簡単。俺の言ったこと理解した?」
瀧川君は、茫然とする私の唇をペロっと舐め、ちょっと怒った顔をしている。
「な、な、な、な、」
「何って、キスだよ。昨日したでしょ?」
唇と唇の差わずか数センチの距離でそんなことを囁かれ、私は顔がボンっと音を出して赤くなるのを感じた。
何も言えずにいると、またペロっと唇を舐められた。怒った口調とは裏腹に、今度はゆっくり感触を確かめるようにそれをされ、背筋がゾクリとなる。
腰がビクンと揺れた瞬間、瀧川君の腕が腰に回り、私の身体はベンチに押し倒された。