私の片想い事情 【完】
「んふ……はぁ……ん」
唾液と唾液が混ざり合うリップ音とともに断続的に漏れる甘い声。
頭ではダメだ、と警告が鳴っているのに、抵抗できない自分がいる。
アルコールで思考が麻痺しているから、身体が言うこときかないから、そう自分に言い聞かせ、なされるままに瀧川君のキスを受け入れる。
時折耳たぶに手を添えられ、身体がビクンと反応すると、更に強く唇を吸われ蹂躙される。
そんなことを繰り返され、もう私は息も絶え絶えにぐったりした。
身体から力が抜け、はふはふ喘いでいる私とは対称的に、瀧川君は汗ひとつかかず涼しい顔で、じっと私を見下ろしていて。
「みなみさん、いい?」
「ふぁ……へ?」
いきなり主語を抜いて質問されるから、何を問われているかわからず、まぬけな返事をしていまう。
その質問の意味を理解できたのは、彼の唇が首筋へと降り、その手が私の胸の上に置かれたとき。
そう、このなけなしの胸の上にーーーーーー!
「ひゃぁ……た、た、た、た……」
「何?」
首筋をちゅっちゅ吸いながら普通に聞き返す瀧川君。その手は器用に私の胸の上を滑る。
今度は血液が逆流するようなゾクゾク感に、身体の中心が変な感じになる。