私の片想い事情 【完】
小さな胸の頂にある突起が徐々に硬くなるのを感じ、身を捩って抵抗すると、ダメだよと怒られた。
布越しにその突起をさすられ、腰が跳ねる。勿論その反応を見逃すことなどしない瀧川君は執拗に一点を攻め続けた。
嫌悪感とはまた違う、どう表現していいかわからない感覚が自分を襲う。
「みなみさん、感じてる」
違うと言いたいのに、身体の中心が潤ってくるのを感じる。
こ、これが感じるという体験かぁ、などと呑気なことを考えていると、瀧川君の手がいきなりTシャツの中に入った。
「きゃぁ……ダ、ダメ……」
「大丈夫だから」
な、何が大丈夫なんだっ!?と反論したいのに、その手は容赦なく上へと進む。
心臓はいつ止まってもおかしくないくらいドッキドキうるさく鳴り、今日何回目かわからないパニック状態に陥る。
そしてとうとうブラに手をかけられ、覚悟を決めた時、瀧川君の手がピタリと止まった。
恐る恐る閉じていた目を開いて瀧川君を見れば、よくわからない表情で溜息をつかれた。
「みなみさん、スポーツブラやめようよ」
「―――へ?」
何かを諦めたように瀧川君は、コツンと私の胸の上に頭を乗せ、ふぅと大きく息を吐いた。