私の片想い事情 【完】
この瀧川君の反応にどうしていいかわからない私は、おそるおそる瀧川君の名前を呼んでみる。
「た、瀧川君?」
名前を呼ばれ頭を上げた瀧川君は、焦れたような、怒ったよな顔をしていて、わけがわからない。
「あのさぁ、Tシャツ一枚でこんな薄いブラじゃ、形わかるよ?」
「へ?」
言っている意味がわからない。
どうやら彼のいやらしいスウィッチは解除されたらしく、身体を起こして、私の捲り上がったTシャツを直してくれた。
「あ、ありがと」
捲り上げた本人に何をお礼言っているんだ、と思いながらゆっくり瀧川君から距離を取る。
う~ん、この沈黙がいたたまれない。
「本当に、わかってないの?」
「はい?」
怪訝な表情で瀧川君を見つめれば、また溜息を吐かれた。
「まず、襲われそうになった男に礼なんて言わない」
「う……ハイ」
「それと、今時小学生でもちゃんとブラしているよ。ほら、今乳首立っているから、まる分かり!」
「……っ……」
やっと言われたことを理解した私は、穴があったら入りたいくらい恥ずかしくて、とっさに両手で胸を隠した。
もう、死にたい……
恥ずかしくてもう無理。
神様、今の私には全てがキャパオーバーです。