私の片想い事情 【完】
何とか這いつくばりながらアパートの階段を昇り、自分の部屋まで辿りついた。
酔っていたせいじゃなく、昨日から今まで起きた全てのことが私にはキャパオーバーで爆発寸前でふらふらだったから。
ドアを開ければ、むっとするような暑さに不快指数が上がる。
とりあえず、扇風機を回し、エアコンのリモコンの「運転」ボタンを押しながら、ベッドに倒れこんだ。
人間、頭がパニック状態でも、惰性で一通りの行動はできる。
あぁ、扇風機の風が気持ちいい。
この不景気に、エアコンと扇風機を併用するとはなんて贅沢なんだと思いながらも、そのひんやりとした風に身を任せる。
うう……このまま寝てしまいたい。
今夜あったことも全て忘れてしまいたい。
いや、ここ2日間にあったことを全て消去して、時間を戻してほしい。
もう瀧川君にも隼人にもどんな風に接したらいいの?
隼人……
約束をすっぽかされ、私は隼人に怒っていたはずなのに、今は説明のつかない罪悪感ともやもやした感情でどうしていいのかわからない。
明日が休みでよかった~なんて呑気なことを考えていると、携帯がピロロンと鳴った。
「ライン?」
誰だろうと、ベッド脇に投げ捨てたかばんから携帯を取り出せば、びっくりオドロキ!
瀧川君からだった。