私の片想い事情 【完】
「亜紀さん、気づいていたんですね」
苦笑しながらそう零す私に、亜紀さんは更に衝撃の事実を告白した。
「みなみに悪いけど、正直に言うわ。私はその時、一度だけ隼人と寝たわ」
「―――え?」
亜紀さん、今何て―――?
さっきお見舞いされた空手チョップ以上の衝撃が脳天に走る。
亜紀さんと隼人が―――?
考えたこともなかったその事実に、うまく言葉が見つからない。
「勿論お互い感情なんてないわ。性欲のはけ口みたいなセックスだったもの」
亜紀さんの言葉が耳に入ってこない。
どうして―――?
隼人の周りには入れ食い状態で女がいた。
セックスフレンドみたいな相手もいたし、隼人に本気になった相手に相談されたこともあった。
でも、亜紀さんと関係があったなんて今まで思いもしなくて。
頭がぐわんぐわんする。